花とアイドル☆《完》

でも、それはたしかに、ちょっと
驚きだった。


「朱鷺田さんが、自分から連絡
してきたの?」


拓斗の問い掛けに愛香さんは
頷いて、


「そーよ。

たっくんが出てってからすぐ、
電話があったわ。

たっくん、電話に出なかったそう
だし、仕方なかったんじゃない」


「あー、まぁたしかに」


拓斗はポリポリと頬をかく。


「花乃ちゃんもたっくんも飛び
出してったって言ったら、説明してくれたの。

で、すぐにこっちに向かうって
言ってたから、もうすぐ着くん
じゃないかしら」


――えっ

朱鷺田さん、来るんだぁ。


つい先ほど、拓斗と『二人で
ちゃんと朱鷺田さんに話を』と
決めたばかりだけれど、まさか
こんなにすぐに対面することに
なるとは。