花とアイドル☆《完》

「花乃さん……。

まあ、それはオレも知ってる」


「そ、そっか。

じゃあ、あの愛香さん見てたら
一目瞭然じゃない。

愛香さん、拓斗クンのこと心から
応援してる。

普通の男のコだったらよかったの
に、なんて、少しも考えてないと
思うよ」


「―――そうかな」


「そうだよ。

それに、近所の人だって、別に
嫌々頼みを聞いてるんじゃないと
思う。

だって達也さん、そんな押し付け
るようなことする人じゃないし。

ちゃんと理由を説明して、分かっ
てもらって。

それで、みんなも拓斗クンを応援
してあげようって思ってくれた
から、何年も約束守ってくれてる
んじゃないのかな」