花とアイドル☆《完》

「うん……」


頷きながら、花乃はジワリと目頭
が熱くなった。



みずほにアドバイスをもらい、
自分でもいっぱい考えて。


まだ、うまくみんなに伝える自信
はなかったけれど。

もう、自分の中で、答えは出て
いた。


――もしかしたら、迷惑かけるの
かもしれない。

でも、あたしは、このままここに
いたい――!


拓斗クンを心配する朱鷺田さんに
は申し訳ないと思っても、それが
自分の本心だから。


他でもない拓斗に、『ここにいて
いい』と言ってもらえて。


――どうしよ……。

ものすごく、嬉しい……。


にじみそうになる涙を一生懸命
引っ込めてから、花乃は顔を
あげた。