花とアイドル☆《完》

「念のため言っとくけど。

朱鷺田さんの考えとか、それが
現実問題どーなのかとか、一切
カンケーなくさ。

花乃さんは、今までどおり、あの
家にいてよね。

父さんも母さんも奈津美さんも、
花乃さんが来てから、みんな楽し
そうだし。

それに――」


拓斗は、そこでほんの一瞬だけ、
ためらったけれど。

すぐに、花乃の瞳を見ながら、
はっきりと言った。


「それに、オレもね」


「拓斗クン……」


「だから、朱鷺田さんの言った
ことなんて、ホント気にしないで
いいから。

オレ達全員が歓迎してんだから、
そんな必要ゼンゼンないでしょ?」