花とアイドル☆《完》

「そ、そんなことは……」


「友達とかにも言われない?」


「――言われるけど……」


というか、みずほにはしょっ
ちゅう言われてるケド。


花乃の答えに、拓斗はまた、堪え
きれないようにクスクスと笑う。


でも、ひとしきり笑うと、拓斗は
フッとその笑みを掻き消して、
真面目な顔になった。


「花乃さんに言われて――オレも
ちょっと怒りで冷静さがフッ飛ん
でたって、気づいた。

朱鷺田さんの気持ちとか、考えて
みようとも思わなかったし……」


「拓斗クン……」


拓斗を見上げた花乃に、照れ
臭そうな笑みを漏らして、拓斗は
続ける。