花とアイドル☆《完》

「……………」


今度こそ、拓斗は完全に黙り込ん
でしまう。


ジッと自分の足元を見つめて、
何かを考え込むふうだった。

花乃も、黙ってそんな拓斗を
見守るしかなく……花乃にとって
は、そうとう長い時間、沈黙が
流れたような気がした。



やがて。


沈黙を破ったのは、拓斗のクス
クスという笑い声だった。


「イヤ……しょーじきビックリ。

てか、通り越して呆れちゃった
かも」


「えっ」


ハッキリ言われて、花乃は硬直
しそうになる。


――そ、そんな〜

どぉしよ……(涙)


だが、拓斗は涙目になっている
花乃を楽しそうに見ながら、
さらに笑い混じりに、


「花乃さんって、超がつくくらい
お人よしなんだネ♪」