花とアイドル☆《完》

「ご、ゴメン」


花乃は、なかば放心したまま、
反射的に謝って。


でも、頭の中は、『?』マークで
いっぱいだった。


――あたしを、探しに来てくれた
の? 

どうして?

それに、どうやってここが……。



だけど、何から聞けばいいのか
分からなくて。


結局は、ただじっと拓斗を見つめ
るだけの花乃に、拓斗は額ににじ
んだ汗を拭いながら、はにかんだ
ように笑った。



「――なんでここが分かったん
だ? って顔してる」


「…………うん」


「前に言ったじゃん。

花乃さん、森にいそうだって」


「え――――」


「つっても、小学生のとき以来で
すっかり忘れてて、思い付くの
時間かかったけど」