さっき逃げるように家を出て
行ったときの、花乃のぎこちない
表情がよぎった。
――花乃さん……!
やっぱ本が欲しいとか嘘だ。
オレと顔合わせづらくて、出てっ
たんだ。
「くそっ。この話はまた今度だ」
吐き捨てるように奏にそう伝える
と、ベッドの上に放置したまま
だったジャケットと財布を乱暴に
掴む。
『おい――』
電話口の奏が何か言おうとして
いるのが、最後に聞こえた。
だが、無視して通話を切ると、
携帯もポケットに押し込み、拓斗
は部屋を出た。
階段を駆け降り玄関に向かう途中
で、リビングから奈津美さんと、
いつの間にか帰宅したらしい愛香
が出てきて、声をかけられる。
行ったときの、花乃のぎこちない
表情がよぎった。
――花乃さん……!
やっぱ本が欲しいとか嘘だ。
オレと顔合わせづらくて、出てっ
たんだ。
「くそっ。この話はまた今度だ」
吐き捨てるように奏にそう伝える
と、ベッドの上に放置したまま
だったジャケットと財布を乱暴に
掴む。
『おい――』
電話口の奏が何か言おうとして
いるのが、最後に聞こえた。
だが、無視して通話を切ると、
携帯もポケットに押し込み、拓斗
は部屋を出た。
階段を駆け降り玄関に向かう途中
で、リビングから奈津美さんと、
いつの間にか帰宅したらしい愛香
が出てきて、声をかけられる。

