花とアイドル☆《完》

拓斗は、もう色々言葉を選ぶのを
やめて、単刀直入に聞いた。


「花乃さんに何か言ったのか?」


『……………』


「答えろよっ。

何か話してたって、奈津美さんも
言ってる!」


直接つめ寄れないのをもどかしく
思いながら、拓斗は電話の向こう
の奏の返答を待つ。


煙草でも吸っているのか、フーッ
と大きく息を吐く音がした。

そして、また少しの沈黙のあと、


『……察しがいいな』


言葉とは裏腹に、別段感心した
ふうでもない声。


「やっぱり…!

オレのことなんて口実なんだろ」


『別に、お前の体調が気掛かり
なのも嘘ではないさ』