花とアイドル☆《完》

「……昨日、一人でうちに来たん
だって?」


拓斗は、押し殺したような、低い
声で尋ねた。


『――ああ。

工藤さんから聞いたのか』


ほんの少し間があったものの、
奏の返答はこともなげだ。


『社からスタジオに戻る途中、
少し寄っただけだ。

それがどうかしたか?』


「奈津美さんに、オレの体調とか
聞いてたらしいけど。

朱鷺田さん今までそんなことした
ことなかったよな」


『――何が言いたい?』


――あーくそっ。

まどろっこしいな!


拓斗は舌打ちしそうになるのを
なんとか堪える。


できるだけ穏便に話そうと思って
いたけれど、どうやらガマンでき
そうにない。