返事は返せたが、ぎこちない笑顔
になっているのが、自分でも
ハッキリと分かった。


「ん? どーしたの?

どっか具合悪い?」


案の定、拓斗は少し心配そうに、
小首をかしげて尋ねてくる。


「う、ううん!

そんなことないよ……!」


「そう?

なんか顔色悪いけど」


「え? そ、そうかなぁ」


しどろもどろになりながら、どう
ごまかせばいいか必死で頭を
回転させていると。


タイミングよく、背後から声が
飛んできた。


「あら花乃さん、お帰りなさい」


「あ、奈津美さん!」