花とアイドル☆《完》

「ほら、ここなら誰かに聞かれる
心配もないでしょ。

寒いのはガマンしなさいよ」


「うん、だいじょーぶ」


たしかに風は冷たいけれど、
ひっそりと静かな空気が、今の
花乃にはとても落ち着く。


みずほと並んでベンチに腰をおろ
すと、花乃はポツリポツリと、
昨日の出来事を話し出した。



最後まで聞き終えると、みずほは。


「なに、
そのふざけたマネージャー!!」


片手に持ったミルクティのパック
を握り潰しそうな勢いで、怒りの
声を上げる。


「み、みずほちゃん、
落ち着いて」