花とアイドル☆《完》

カンのいいみずほは、すぐに花乃
の気持ちを察して、少し考えを
巡らすと、


「OK、いい場所があるわ。

パンかなんか買って行くわよ!」


そう言って、さっさとテイクアウ
ト用のフードが売られているワゴ
ンの方に移動し始める。


「あ、待ってよみずほちゃん〜」



あわてて後を追う花乃が連れて
来られたのは、その館の中庭に
あるベンチの1つだった。

大きく3つに別れるキャンパスの
各館に中庭はあるのだけれど、
この館のは構造上、日当たりが
悪い。

今日は雲っていて肌寒いし、
おまけにみずほが選んだのは大木
の真下の、とりわけ暗い所なので
、周囲に人影は全くなかった。