花とアイドル☆《完》

「ご、ごめんね、
みずほちゃん……」


午前中、ずっとみずほに心配かけ
ていたことに気づいて、花乃は謝る。


「別に謝んなくていいけど。

何かあったんでしょ?

あたしで役に立つか分かんないけ
ど、とりあえず話してみなよ」


つっけんどんだけど、いつもより
幾分優しいみずほの口調。


ありがたいな、と花乃は思った。


正直、自分ではどうすればいいの
か答えが出せなくて、もてあまし
ていたのだ。


それに、聞いてもらえれば、それ
だけで多少はスッキリするかも
しれない。


「でも……ここじゃちょっと」


学食は、当然のことながら学生で
あふれ返っている。

昨日、朱鷺田さんに言われたせい
もあって、ここでは話す気になれ
なかった。