朝を迎えても、心の整理は一向に
つかず。
花乃は暗鬱とした気分で、上の空
で講義を受けていた。
「言っとくけど。
あたしに隠し事しようったって、
ムリだからね」
午前の最後の講義を終えて、
ランチのためみずほと並んで
学食へ向かう途中。
それまでの話題を唐突に切って、
みずほが言った。
「――え?」
「え? じゃないわよ。
いつまでたっても話してくれる
気配ないから、こっちがしびれ
切らしちゃったわ」
「みずほちゃん……」
みずほはどことなくむくれたよう
な表情をしている。
心配かけまいと、普段通りにふる
まっていたつもりだったけど。
付き合いの長いみずほには、
花乃が落ち込んでいることは、
お見通しだったようだ。
つかず。
花乃は暗鬱とした気分で、上の空
で講義を受けていた。
「言っとくけど。
あたしに隠し事しようったって、
ムリだからね」
午前の最後の講義を終えて、
ランチのためみずほと並んで
学食へ向かう途中。
それまでの話題を唐突に切って、
みずほが言った。
「――え?」
「え? じゃないわよ。
いつまでたっても話してくれる
気配ないから、こっちがしびれ
切らしちゃったわ」
「みずほちゃん……」
みずほはどことなくむくれたよう
な表情をしている。
心配かけまいと、普段通りにふる
まっていたつもりだったけど。
付き合いの長いみずほには、
花乃が落ち込んでいることは、
お見通しだったようだ。

