朱鷺田さんの表情からは、はっき
りした感情はうかがえない。
いつも無表情で坦々と話す彼と、
何ら変わりがないように見える。
でも――やっぱり。
その声と瞳に、言いようのない
冷たさが含まれているように、
花乃には思えた。
「本郷氏の働きかけで、情報が
漏れる心配はないとのことですが
……彼とて、万全ではない。
むしろ、彼がいくら尽力したと
して――」
朱鷺田さんはそこで一度言葉を
切った。
そして、真っすぐに花乃を見据えて、
「あなた自身から、情報が漏れ
ないとも限らない」
「――――!?」
――それって、あたしが誰かに
バラすんじゃないかってこと!?
りした感情はうかがえない。
いつも無表情で坦々と話す彼と、
何ら変わりがないように見える。
でも――やっぱり。
その声と瞳に、言いようのない
冷たさが含まれているように、
花乃には思えた。
「本郷氏の働きかけで、情報が
漏れる心配はないとのことですが
……彼とて、万全ではない。
むしろ、彼がいくら尽力したと
して――」
朱鷺田さんはそこで一度言葉を
切った。
そして、真っすぐに花乃を見据えて、
「あなた自身から、情報が漏れ
ないとも限らない」
「――――!?」
――それって、あたしが誰かに
バラすんじゃないかってこと!?

