「――心配しすぎだろ。
あんな場所、住人以外誰も通ん
ないじゃん」
不機嫌をあらわにした声で、拓斗
はボソボソと吐き捨てるように
言う。
だが、奏も簡単に引き下がりは
しない。
「断言はできないだろう。
注意し過ぎるにこしたことはない
、と言ってるんだ」
「あーもーうるせーなっ。
分かったよ! 今度から気を
つけりゃいいんだろっ」
とうとう我慢できなくなって、
拓斗は怒鳴った。
「どうした?
何を怒っている?」
対する奏の口調は、落ち着いて
いて平坦そのもの。
どんな時でも、奏のこのクールな
口調が崩れることはない。
自分だけが熱くなってる――。
そんな感じが、よけい拓斗を
不機嫌にした。
あんな場所、住人以外誰も通ん
ないじゃん」
不機嫌をあらわにした声で、拓斗
はボソボソと吐き捨てるように
言う。
だが、奏も簡単に引き下がりは
しない。
「断言はできないだろう。
注意し過ぎるにこしたことはない
、と言ってるんだ」
「あーもーうるせーなっ。
分かったよ! 今度から気を
つけりゃいいんだろっ」
とうとう我慢できなくなって、
拓斗は怒鳴った。
「どうした?
何を怒っている?」
対する奏の口調は、落ち着いて
いて平坦そのもの。
どんな時でも、奏のこのクールな
口調が崩れることはない。
自分だけが熱くなってる――。
そんな感じが、よけい拓斗を
不機嫌にした。

