花とアイドル☆《完》

拓斗はロコツに眉をひそめた。


父親と自分の立場を考えれば、
そういう工作的なことも仕方ない
と、理解はできる。


子供の頃からあの家で育ったから
、近所の住人は、TVで顔を見れ
ば拓斗の正体が分かってしまうの
だ。

本郷家の人間であることを隠して
芸能活動をするなら、口止めとい
う名の協力依頼をするしかなかった。


拓斗もそれは必要だと思ったから
、父親に任せた。

でも、決して気持ちよく受け入れ
られることではなかった。


それを思い出させられただけでも
不愉快なのに。


今朝の、あんなささいな何気ない
行動にまで、注意をされなくては
いけないなんて。