花とアイドル☆《完》

「ひゃっ…。

これ――桜??」


髪に手をやりながら見てみると、庭の右端に1本だけ桜の木があって、ほぼ満開になっている。


―――!!


花乃は驚いて息をのんだ。


桜の木のすぐ側にいくつか大きな庭石があり、そのうちの一つに、人が腰掛けていたのだ。


足を組んで軽く庭石に腰掛け。


――あ……、本、読んでた……?