花とアイドル☆《完》

「……あたし、そんな野生児っぽ
いかな……?」


「へっ? 

――あ〜、違う違う!」


拓斗は、言うやいなや、クックと
肩を震わせて笑い出した。


「あ、あはは…!

花乃さん、それ方向性が180度
違うから!」


「え、そ、そうなの?」


何がそこまで笑われてるのか
分からず、花乃はオロオロする
ばかり。


拓斗は何とか笑いを落ち着かせる
と、目の端にたまった涙を拭い
ながら言った。


「花乃さん、ジャングルにいる
ターザンみたいなの想像したん
でしょ?」


「う、うん……」


まさに、花乃が思い浮かべたの
は、子供の頃見たディ○ニー映画
の『それ』に扮する自分だった。