花とアイドル☆《完》

ソファの背にもたれて、軽く足を
組んで。

ちょっとアンニュイな様子で
黙ってコーヒーを飲む姿は、
それだけで決まって見える。



「花乃ちゃん? どうかした?」



――――!!



愛香さんの声に、花乃はハッと
我に返って、あわてて拓斗から
視線をはずした。


「な、何でもないですっ////」


――やだ、
つい見とれちゃった……。


「そぉ?

ん〜 ――でも、もうこんな時間
かぁ。

さすがにあたしも眠くなってきた
かな」


花乃が黙り込んでいたのも、
眠くなったからだと勘違いしたの
かもしれない。