花とアイドル☆《完》

今日一日一緒に過ごして、ぐっと
打ち解けた二人は、時間も忘れる
くらい、おしゃべりに熱中して
いたのだ。


愛香さんは、今日の出来事を、
拓斗にも楽しそうに話した。


「よかったな〜、母さん。

相手してくれる人ができて♪」


愛香さんの話を聞き終えると、
拓斗はニヤリと笑いながら、
小さい子供に話すような口調で
言う。


「もう、からかわないでよ〜」


紅潮した頬をぷぅっと膨らませる
愛香さん。


「そんな子供みたいに興奮してる
からだろ」


拓斗は苦笑して、
『コーヒー煎れてくる』と、
いったんリビングを出ていく。