花とアイドル☆《完》

「あ……」


ふと思いついて、花乃はつい声を
出してしまった。

愛香さんが、『どうしたの?』と
視線を投げ掛けてくる。


――居候の自分が、図々しいかな……。


少し躊躇したけれど、ウキウキ
する気持ちはなかなか抑え切れ
なくて。

花乃は思い切って言ってみた。


「えと、ルリマツリ…なんてどう
ですか? 

これからの時期だったら、苗木が
売ってるかも」


愛香さんは一瞬驚いた表情を見せ
たけれど、すぐにぱぁぁっと
嬉しそうな笑顔になって、


「どんなお花なの?」


と聞いてきた。