花とアイドル☆《完》

「……………」


「でも、箱を開けたら、なんと
オレのこと知らないんだもんな。

久々に、ただの『本郷拓斗』で
人と話せたよ。

なんか新鮮だったわ〜♪」


そう言う拓斗の表情は、本当に
楽しそう。


「だから昼間も、知らないなら
それでいいやって思って、何も
言わなかったわけ」


「そう、だったんだ…」


「そそ。

むしろ、ずっと知らないままで
いてくれてもよかったんだけどなー」