私が頷くと、『よしっ!』と言って、ステージから飛び降りた。


「交代こうたーい!」


坂下くんが手を挙げたとき、タイミングよくボールが止まる。


「今のファールだろ!」

「マジで?」


蒼は本気でクラスメイトに絡んでいた。


「はいはい!ファールね!相原のフリースロー!」


坂下くんが二人の間に入りながら、ボールを持っていた。

蒼って、ホントに何をするにも全力投球だよね。

その光景を見て、私の頬は緩んでいた。

その時、蒼と目があう。

ちょいちょいっと私を手招きする蒼。

私は首を傾げながら、自分を指さす。

すると、蒼は大きくうなずいて微笑んでいた。


「なぁに?」


私が、コートに入り、蒼に駆け寄ると、蒼はボールを私に手渡す。


「フリースロー!美月参加ねっ!」

「えぇぇっ!」

「おっ!いいね!」


クラスメイト達は私に拍手を送る。


「相原、フリースロー全部決めるから、美月ちゃんなら外してくれるかも!」


ぴく…。

その言葉に私の火はついた。


「…今なんて?」