「碧依ー。碧依って好きな人いないの?」

「‥‥‥へ?」


嘉津の突然の問いかけにあたしは間抜けな声をあげた。


「好きな人‥?い、いないよっ!」


あたしは必死になって否定をした。今まで身近な男の子と言えば大輔と悟だけだったあたしは初恋もまだだった。だからその手の話に慣れておらず、苦手だった。