僕はその言葉は許せなかった。
「居場所はあるよ!!」
母は驚いた顔で僕のほうを見上げたが、それは気にせず、母に続けた。
「彼女は・・・今はひとりかもしれないけど、でも、もし彼女が許すなら僕が一緒にいてやることもできる!
それに、彼女はきっとみんなに愛される!!
家族とか、仲間とか、関係あるもんか!!
そしたら僕だってひとりだったんだから!!!」
は、とした。
何を言ってるんだ僕は、って。
母も僕が言おうとしていることに気づいているようで、少し気まずそうに顔をゆがませた。
「と、とにかく・・・彼女は目を覚まさないのは、そういう、理由じゃなくて・・・」
そう、僕が続けていると母の震えた声が聞こえた。
「う、うそ・・・」
「?
母さん、何?」
母を見ると、母は僕の方なんか見ていなくて、僕の後ろを見ていた。
僕も母の見ているほうを見てみる。