「捕らえられている、というより・・・眠らされているの」
母は、見たこともない悲しそうな顔でささやくように言った。
「もう、300年近く前の、随分昔のここの館長さんがね、捉えた際に眠り薬を飲ませたそうなの
そして展示品として、見世物にしたのよ・・・でもその後の館長さんが思い直して、水を海の水に替えて起こそうと、したそうよ?」
「・・・起きてはくれなかったんだね」
僕がそう言うと、母は頷いて話を続けた。
僕は話を聞きながら、不謹慎かもしれないけど母がこんなに話すのを聞くのは随分久しぶりだな・・・なんて思った。
「起こす研究が始まって、多くのことを試みてはみたらしいけど・・・結局何の反応も示さなかったらしいわ
ただ・・・ただ、ある実験をしているときに、涙を流したらしいの」
「涙・・・」
「それがこの、真珠」
母が指差した方向を観ると確かに真珠があった。
人魚が浮かぶ下のほうに、何粒も何粒も。
「何をしたの・・・彼女に」
母は、見たこともない悲しそうな顔でささやくように言った。
「もう、300年近く前の、随分昔のここの館長さんがね、捉えた際に眠り薬を飲ませたそうなの
そして展示品として、見世物にしたのよ・・・でもその後の館長さんが思い直して、水を海の水に替えて起こそうと、したそうよ?」
「・・・起きてはくれなかったんだね」
僕がそう言うと、母は頷いて話を続けた。
僕は話を聞きながら、不謹慎かもしれないけど母がこんなに話すのを聞くのは随分久しぶりだな・・・なんて思った。
「起こす研究が始まって、多くのことを試みてはみたらしいけど・・・結局何の反応も示さなかったらしいわ
ただ・・・ただ、ある実験をしているときに、涙を流したらしいの」
「涙・・・」
「それがこの、真珠」
母が指差した方向を観ると確かに真珠があった。
人魚が浮かぶ下のほうに、何粒も何粒も。
「何をしたの・・・彼女に」
