きっと、芦田 夕日が姫乃を狙われなかった理由はこれだ。


さすがに、ヤクザ一家だとしても お嬢様は殴れない。


殴ったら どうなるかなんて、大体は目に焼き付く。


「あなた、私の存在知ってるでしょ。大丈夫、手荒なマネはしない。」


「えっ………?キャッ」


「おい、ちょ待てよ!」


芦田 夕日は片手で姫乃を抱え、どこかへ連れていってしまった。


俺は座っていたため、追い掛けることが出来なかった。


「…………帰ろ」


俺は、バックを持って学校を出た。