「大地…」


あたしはそのあとに続く言葉を飲み込んだ。


『大地、あたしはあなたの母親じゃないよ』


そう言いたかった。
けど…そう言えなかった。
言ってはいけない。
そんな気がしたから。





家に帰り部屋に入ったとき、あたしの携帯が鳴った。


携帯を開くと、メールが一件入っていた。


差出人は舞。


『ほたる(・∀・)あたし真山くんと手をつないじゃったぁ♪明日また詳しく話すから聞いてね☆
ほたるは健太とどうだった?』



楽しそうな舞からのメール。
今は何となく返す気分にはなれなかった。



あたしはベッドに顔を埋めた。



あたしは一体…
何がしたいんだろうか…。


大地と健太…。
あたしが好きなのは健太なはずなのに…大地のことも頭にずっと残ってる。


「んー…あたし誰が好きなんだろ…」



あたしはそっと呟いた。