「…何で嫌がらなかったの?」


大地が唇を離した途端に口を開いた。



「…なんでだろう…自分でもわかんない…」



あたしの答えを聞いたあと、大地は椅子に座り直した。




「ほたる…俺、ほたるが真剣に好きだ。」



まっすぐな告白…。
まっすぐな瞳…。



「俺…昨日はひどいことしたよな…。本当悪かった。俺、嫉妬したんだ。ガキだから嫉妬の発散の仕方がほたるを傷つける結果になって…反省した。」



大地は素直に自分の懺悔を話始めた。




「俺、昔母親にすてられてから、捨てられることを恐れて、気に入った奴は手段を選ばずに手に入れたんだ。けど、手に入れてもあっけなかったよ。相手が俺の強引さにひいちまって…。知らない間に距離が出来て離れていくんだ。

けど、ほたるは俺にまっすぐにぶつかってきた。それがすごく嬉しかったりもしたんだ。
嬉しかったなんて、傷つけたのに不謹慎かもしれねーけど。」



大地は続けて話す。



「俺、ほたるの写真を初めて見たとき…本当にかわいいなって思って、こんな子が姉ちゃんになるんだって思ったら嬉しくて…。」




あたしは何だか恥ずかしくなった。