弟くんと危険な関係!

「あ!ほたる!」

電話を切って10分後。
すごく急いで走ってきた大地が目の前に現れた。

「大地!」

あたしは大地を見つけるなり、小走りで駆け寄った。


大地はあたしの目の前に来ると、いきなりあたしを引き寄せて抱きしめた。

「ちょ…大地!ここ外だよ!」

周りは住宅街。けど夜だから誰もいなかった。
街灯だけが光って、あたしたちを照らす。

「誰も見てないからいいだろ。」

暑い夏の終わり。
急いで走ってきた大地から、汗の匂いがする。
こんなに急いでくれたのか…と思うと、いとおしくなった。

「もう、俺、本当に心配だから…夜に一人で帰ってくるなよ。」

「じゃあ…健太に送ってもらえばよかったかな。」

「あぁ?それもダメ!」

「…言ってることメチャクチャだよ。」


あたしは大地の腕の中で微笑んだ。

心配だけど、嫉妬には勝てないんだね。
そんなにあたしのこと、思ってくれてるんだ…。

どんどん、大地にはまってしまうな、あたし。