あたしたちの心安らぐ下校時間。


そんなあたしたちの様子を影から見ている人がいたなんて、全く気が付かなかった。





次の日の朝。


早く目が覚めたあたしはキッチンに立ち、みんなの朝ご飯を作り始めた。


匂いと音で次々に起きてくる。



お母さんと雅也さんはお仕事だから、頑張ってもらわないと!




2人はご飯を満足そうに食べてくれて、会社に向かった。



大地はまだ起きてこない。

今日は学校じゃないのかな?けど練習があるはず…。

起こした方がいいのかな?


あたしはとりあえず大地の部屋のドアを叩いた。





『コンコン』


応答はない。



あたしはドアに耳を当てる。



起きた気配はない。



「大地?学校行かなくていいの?」



あたしは問いかけ、再びドアに耳をつけたが、
応答はない。