「あれ?大地?」



あ、そっか。大地も学校来てたんだったね。



大地は男女数名と一緒に歩いていたが、一人小走りでやってきた。



健太は少し気まずそうな顔を見せたが、大地はそんなことはないようだった。




大地は健太、舞、真山くんの順に頭を下げる。


3人も頭を下げた。



「なんか学校に用事あったのか?」


「まぁ…ちょっとね。」


大地は舞と真山くんの様子を見て少し勘づいたようだった。




あたしはなんだか後ろから視線を感じた。

その時、


「大地くん…」



さっきまで大地と一緒に歩いていた団体の中から小柄な女の子がトコトコやってきて大地の後ろに立った。





その女の子は目がクリクリして、すごくふわふわなボブヘアでとってもかわいい。


守ってあげたくなるような女の子。



「知り合い…?」


その女の子は大地の制服の裾を軽く引っ張りながら聞いた。



「ん?ああ、こいつは俺の姉だよ。」


するとその子はあたしの顔を見てニッコリと笑った。


「初めまして。相川ほのかです。」


とても礼儀正しい子。



「あ…二宮ほたるです。」

あたしもつられて挨拶した。



「私はほのかでお姉さんはほたるなんですね!なんか名前似てますね。」


その子はニコニコ笑っている。まるで天使の笑顔。




「あ…相川、俺今日はほたると帰るから。また明日な!」


大地が後ろの友達にも手を振った。



「わかったよ。また明日ね!大地くん」



相川さんはみんなの元へと戻って行った。



まさか、あの子がこれから嵐を運んで来るなんて
この時は全く考えてもいなかった。