本当に健太は優しかった。
てゆーか優しすぎ!!


あたし優しい人好きだったよね…?

なのになんであんな生意気な子供を好きに……??



あたしが悶々としたまま帰ろうと下駄箱へ向かう。



靴を変えて、一歩外へ出た。



青い空を見て、さっきの健太の言葉を思い出す。



『俺も前に進むから』



健太の差し伸べてくれた手を断って選んだ道だから、なにがあっても迷ってはいけない。

進むしかない。





そう思い、あたしは空を見ていた顔を正面に向けた。


すると校門に大地が立っていた。



「大地…」


「遅ぇよバカ」



口の悪い大地。


スタスタと歩いて先に行ってしまう。


気のつかえない大地。



そんな大地が…



「何笑ってんだよ。」



ふふっ。



「何でもなーいよ♪」



あたしはそんな大地が大好きだ。