その日の帰り。
当番日誌を書くあたしは、教室に一人になった。


少し雨が降ってきたので、今日は外の部活も中の廊下を走っているから賑やかだ。



ガラッ。


教室のドアが開く。


「あれ?ほたる!まだいたの?」


「健太…!部活中じゃないの?どうしてここに?」


「ちょっとタオル忘れたから取りに来たとこ。日誌書いてんの?」


健太はタオルを手にすると、こちらに寄ってきた。


「うわっ!汗臭い!めっちゃ走ってたの?」



「まぁな。一階廊下をキャプテンがいいよって言うまで走り続けるからなぁ…。」


そう言って汗を拭った。



「…そういえば…さ。」


健太が何だか言いにくそうに話始める。




「…?どうしたの?」



「…ほたるって…弟と付き合ってんの…?」


あたしは思わず、シャーペンを床に落とした。



「…へ?!ちょっと…何を言ってるの?!付き合ってないよ…!ビックリしたぁ…」


あたしは床に落としたシャーペンを拾おうとした。

すると健太も拾おうとしてくれて、そっと手が触れた。


「あ…ごめんっ…!」


あたしはとっさに手を引っ込めようとしたが、健太はあたしの手をぎゅっと握ってきた。


「…?!健太…?」



突然の事にあたしは動揺が隠せない。