瑠璃色の華

「あまり、この子を甘く見ない方がよろしいですわよ。」

その言葉は誰よりも沖田に向けて発した言葉。

そのことに気づいてか沖田が俯いた。

「そして、紅は王直々に命じられ作られた護衛集団の長です。」

その言葉に山崎が反応した。

「それで、どおりで強い筈やな。」

腕を組む山崎に紅は言う。

「私だけではございません。後宮にいる女官の半分はその護衛集団の人員です。」

その言葉に続くように桃が話す。

「後宮に仕える者は全て文武において他より秀でていなければなりません。」

何故…と近藤がつぶやいた。

「後宮は国の主たる王とその後を引き継ぐ王子王女の住むところだからそして…。」

説明していた蓮の目が切なげに伏せられる。

「最も変死が多い場所だからですわ。」