瑠璃色の華

「んで、仙頭省つーのは、日本でいう幕府とか朝廷の機関の一つだな。」

それに続くように桃が口を開く。

「私はそこの長でございました。」

近藤、沖田、山崎は目を見開いた。

「なんと…。桃さんは役人だったのか…。」

近藤はうぅむと唸る。

「こちらでいうところの役人に10歳で…?」

沖田の言葉に蓮が続く。

「こちらでは役人には当主がなったりするでしょうがあちらでは完全実力主義です。」

スッと目を細めて蓮は続けた。

「王ですら介入不可能な試験を受け、初めて官吏になることが出来ます。そしてそこからの成績次第で上にあがれるかそのままの位にいるかがきまるのです。」
部屋の中の男達が息を呑む。

「この子は7歳で試験に受かり、10歳で朝廷でも高位である省尚の座に収まりました。」

言葉の意味は分からなくても、蓮のまとう雰囲気で凄いことだと悟ったのだろう、驚愕の眼差しが桃に降り注がれる。