瑠璃色の華

すっすっと優雅に足を運ぶ姫に誰もが言葉を発さず見とれていた。

祥啓は凛と背筋を伸ばし、簪を鳴らし父である王の前へと足を進める。

所定の位置までくると跪き目上の者に対する最高級の礼をとった。

「孫国第一王女 孫 祥啓。只今まかりこしてございます。」

口上の挨拶を述べ、もう一段階頭を下げる。

「祥啓…。面を上げよ。」

王の言葉にぐっと顔を上げ翡翠色の瞳で父を見る。

「まず、成人の祝いを述べよう。おめでとう。」

王が優しい瞳で祥啓に微笑む。

「ありがとう存じ奉ります。」

祝いの言葉に心より礼を述べ頭を下げる。