瑠璃色の華

「美しいわね。」

後宮の庭には春の賑わいが訪れていた。

「本日はよりいっそう美しく見えますわ。きっと祥啓様の成人を木々も祝っているのでしょう。」

光琳が満面の笑みを浮かべて言う。

しばらく歩き、後宮と朝廷の境である門が見えてきた。

「第1王女祥啓姫のお通りです。」

慧斗がそう告げると門番が厳かに門を開け放つ。

「さぁ、参りましょう。」
祥啓の言葉に促され、光琳と慧斗も朝廷へと足を踏み入れた。