瑠璃色の華

「慧…いえ紅。本当に大丈夫なのですか?」

隣の部屋で着物の説明をしながら蓮は紅にたずねた。

「蓮様…。私は逃げられないのでございましょう。このような異国の地でも…。ならば受け止めて戦うまででございます。」

「そうですか…。臣下を守るのは主の勤め。」

そう言って着物の中から翡翠色の着物を出して紅に渡す。

「私がいつもついていますよ。」

自分の瞳と同じ翡翠色。

「ありがとうございます。蓮様…。」

紅は差し出された着物をそっとおしいただいた。