瑠璃色の華

「なら、1人は決まりだな。残りの2人は…。」
「慧斗はわいが決めるー。」

山崎が土方の言葉を遮って言う。

「わいの仕事仲間になる人やさかい。」

慧斗が眉を寄せる。

「私の仕事仲間?」

その言葉に山崎は笑顔で頷く。

「せや。あんたみたいに勘のええ人女中なんか勿体無い。あんた、監察にもらうで。」

「そんなっ!!」

慧斗が叫ぶ。

「慧斗。郷にいっては郷に従えですよ。」

慧斗は己の主を見た。

「私なら大丈夫です。水寓刀があります。心配はいりませんよ。」

ニコッと笑うと慧斗はしぶしぶ監察になることを承諾した。

「ほんならー慧斗は…。」

うーんと頭をひねってから山崎は言った。

「紅がええ。」

その名前に慧斗の顔色が変わった。

「山崎さん。それは…。」

祥啓が言おうとするのを遮って慧斗が言う。

「祥啓様よろしうございます。」