瑠璃色の華

「誰だそいつは?」

「私の婚約者ですわ。」

祥啓の言葉に一同は息を呑んだ。

「婚約者がいたのか…。」

近藤が哀れみを含んだ声音で言う。

「えぇ。3日後に祝言を挙げて孫国とその婚約者の方がいる国は同盟と和平条約を結ぶはずでした…。」

そこまで言うと祥啓は唇が白くなる程噛み締め、歪んだ表情で言葉を続けた。

「もし、3日後に私がいないせいで式が挙げられないなんてことになってしまったら…。」

祥啓の頬をツッと涙が滑り落ちた。

「戦がおきてしまう…!!」