「早いよな。俺がここで祥啓を見つけてもう6年も経つんだぜ?」

庭の一角。桃園に2人は一緒にいた。

「えぇ。あの時は本当に驚きました。」

祥啓が懐かしそうに目を細める。

「まさか、自分が過去に飛ばされる日が来るなんて思ってもみませんでしたもの…。」

6年前の今日。祥啓はこの桃園で珀明と出逢った。

「得体の知れない私に父上は祥啓という名前をくれ愛情を込めて育ててくれました。」

そしてと言って珀明の方を見る。

「珀明様とも出逢うことが出来ました。」

にこりと微笑む祥啓に珀明はドキリとした。

「私は本当に幸せですわ。」

祥啓は本当に幸せだという顔をしている。

「でも、だからこそ不安もあるのです。」