野良猫のように
翻弄し続ける旅人のように
彼女は突然この小さな漁村に現れ
そしてまたなにも言わず突然去った。

初めて好きだと思った
初めて守りたいと思った
初めて一緒に生きて生きたい

全部、君が初めてだった。

だけど
たくさん君を泣かした
困らせ
傷つけ
怖がらせ
出会った事まで否定した。

勝手な嫉妬で。

いまさら何を言ったって遅い、
だって君はもう

もう



いないから。