あんたに夢中!

「大丈夫よ」

そう言った私に、
「えっ?」

三浦くんは不思議そうに目を丸くした。

「試験官が3人いるんだけど、その人たちを野菜に例えればいいのよ」

「野菜…?」

「実際3人共、野菜みたいな顔をしているから。

にんじん、ジャガイモ、もやしってな感じで」

そう言った私に、三浦くんはプッと吹き出した。

「何か、元気が出てきました」

そう言って笑った後、三浦くんは立ちあがった。

「ありがとうございます。

俺、試験行けそうです」

「頑張ってね」

「はい!」

三浦くんは大きく首を縦に振ってうなずくと、私の前を去った。