「気にすることはない。

お前はお前で、ちゃんとしろ。

ちゃんと、自分の恋を成就させろ」

「はい」

「上からもいろいろ何か言われると思うが、気にするな。

モテないヤツらの醜い妬みとでも思って、右から左へ受け流せ」

「部長、何かそのギャグありましたよね?

右から左へ受け流すって」

「そうだったか?」

そう言って、私と西山部長は笑いあった。

まさか、気づかれていたなんてなあ。

自分で気づく前に西山部長に気づかれるとは。

彼は一生、頭のあがらない上司だ。