その言葉に、私は思わず振り返った。

真剣な目で私を見つめる彼と視線がぶつかった。

「冴子さんのこと、絶対にあきらめませんから!」

バカを言わないでよ、と思った。

また噂が広がる。

ただでさえ、嫌な思いをしてるって言うのに。

私は大きくため息をつくと、背中を見せた。

全く、何を言っているんだか。

年下なんか興味ない。

年下なんか恋愛対象に入らない。

ガキ過ぎて話にならない。

彼には彼にあう相手がいて、私には私にあう相手がいる。

そう、自分に言い聞かせる。

それから私は、彼を避け続けた。

そして、お見合いの日を迎えた。