無視をすれば良かったんだろう。 だが、魔が差した。 マンションへ入ろうとした時、目があったんだ。 ドアの脇で段ボールに入れられ、寂しげに見詰めてくるコイツと。 かすかに存在していた自分の中の「情」というものが動いたんだ。