「にぃ」


電話を切った私の足首に顔をすりつけてくる。


……全く、言葉の意味を理解していると言うのか。



私はその場にしゃがみこみ、猫を抱えた。


「お前に名前をつけてやるか……」



さらに生まれる情。



情など効率的に仕事をする上では邪魔でしかない。


そう思って削除してきた私の中の感情。